FULLMETAL ALCHEMIST Roy x Riza Novels-29.



Dance Partyの続きです。

「………。」
ざあざあと降り落ちる雨に、ロイとリザは空を見上げた。
 屋根があるから直接ではないが、こんなところに長居してしまっては身体が冷える。
「―――雨、だな」
 ロイはがっかりした声音で言った。
「雨ですね」
 リザの方は冷静で、勤務中と殆ど変わらない。
 入口に待機していた馬車や車は既に少なく、残っているそれらもまた、今に走りだそうとしている。
 地方から招かれた人間なら兎も角、中央勤務の佐官と尉官の組み合わせでは、天候を理由にそれらを呼べない。
 大総統は国内から幅広く招待していて、交通渋滞でも生じそうな勢いだったのだ。今更車を呼んだところで、いつありつけるか分かったものではない。
 だから、一段落した頃に出てきたのだが、まさか雨が降っているとは思わなかった。
「大佐?」
 折角彼女が綺麗な服を着ているのに、と思う。
「帰らないのですか?ここに居ると冷えますよ」
「しかしこの雨では―――」
 帰宅するまでに濡れてしまって、風邪をひいてしまうのが落ちだ。
 ロイがそんなことを考えていると、リザはばさりと傘を開いた。
「2人では少々小さいですが、我慢してください」
 無いよりマシです、とリザは言い切って一歩踏み出した。
「傘…あるのか」
 雨など考えてもいなかったので、意外だった。
「ええ、まぁ」
 だとすれば、彼女は少なくとも可能性のひとつとして、知っていたことになる。
「備えあれば憂いなし、ですよ」
 何気ない様子で、帰りましょう?と言われれば、苦笑するしかない。
 本当に、彼女は出来る女性だ。
「何だか情けないな」
 焔の錬金術師が笑わせる。
 ロイはそんなことを思いながら、リザの傘に入ったのだった…。


END

*POSTSCRIPT*
前を書いたのはいつだと(苦笑)
鋼世界の傘の存在が気になる今日この頃。
ネタ提供元はあれです、『雨の日はノー・サンキュー』。
2010.07.03