※Dance Partyの続きです。 「………。」 ざあざあと降り落ちる雨に、ロイとリザは空を見上げた。 屋根があるから直接ではないが、こんなところに長居してしまっては身体が冷える。 「―――雨、だな」 ロイはがっかりした声音で言った。 「雨ですね」 リザの方は冷静で、勤務中と殆ど変わらない。 入口に待機していた馬車や車は既に少なく、残っているそれらもまた、今に走りだそうとしている。 地方から招かれた人間なら兎も角、中央勤務の佐官と尉官の組み合わせでは、天候を理由にそれらを呼べない。 大総統は国内から幅広く招待していて、交通渋滞でも生じそうな勢いだったのだ。今更車を呼んだところで、いつありつけるか分かったものではない。 だから、一段落した頃に出てきたのだが、まさか雨が降っているとは思わなかった。 「大佐?」 折角彼女が綺麗な服を着ているのに、と思う。 「帰らないのですか?ここに居ると冷えますよ」 「しかしこの雨では―――」 帰宅するまでに濡れてしまって、風邪をひいてしまうのが落ちだ。 ロイがそんなことを考えていると、リザはばさりと傘を開いた。 「2人では少々小さいですが、我慢してください」 無いよりマシです、とリザは言い切って一歩踏み出した。 「傘…あるのか」 雨など考えてもいなかったので、意外だった。 「ええ、まぁ」 だとすれば、彼女は少なくとも可能性のひとつとして、知っていたことになる。 「備えあれば憂いなし、ですよ」 何気ない様子で、帰りましょう?と言われれば、苦笑するしかない。 本当に、彼女は出来る女性だ。 「何だか情けないな」 焔の錬金術師が笑わせる。 ロイはそんなことを思いながら、リザの傘に入ったのだった…。 END *POSTSCRIPT* 前を書いたのはいつだと(苦笑) 鋼世界の傘の存在が気になる今日この頃。 ネタ提供元はあれです、『雨の日はノー・サンキュー』。 2010.07.03 |