FULLMETAL ALCHEMIST Roy x Riza Novels-34.




「君には銃なんて持って欲しくなかったんだ」
 司令部からの帰り道、突然何かと思えば、そんなことを言うものだから、虚を突かれてしまった。
 今さら過ぎる言葉に呆れてしまう。
「私はあなたを守る身ですよ」
「君の両手は希望のそれだった筈なんだ」
 いつものような冗談ではないことに気が付く。
 私を見る漆黒の瞳は、後ろめたさを感じているようだった。
「では、絶望の手ですか?」
 そんな必要はないのにと言う思いを言葉に乗せた。
 研究を託し、軍服に袖を通すことを決めたのは私。
 押し付けられた、汚された手だと思ったことは無い。
「未来の幸せの享受には、血の河を渡る必要があるのでしょう?」
 寄せるのは、信頼と、期待。
 頷くあなたに、私は笑う。
「あなたの手は、可能性の手ですよ」
 明るい未来を拓く手。
「言ってくれるな」
 そう来なければ甲斐が無い。
 あなたの背中は、私が守るのだから。


END

2010.06〜2010.10過去拍手掲載。