「・・・鳴海さん、一つ聞いていいですか?」
食料品が山ほど入った紙袋を抱えひよのは聞く。
「なんだ?」
「今日、"付き合え"と言った理由はこれですか?」
今となってはもう遅いが、今日歩に付き合わされた理由が買出しの荷物持ちだということを悟った。
何の前触れも無しに、「今日ヒマか?」と聞かれたので分からないのも無理は無いのだが。
「あんた、ヒマだろ?」
「それはそうですが、か弱い乙女に荷物を持たせるのはどうかと思いますが」
「あんたはか弱くないからな。問題ない。」
「鳴海さん、それはどういう意味です?失礼ですねっ!」
「事実を言っただけだ」
まだ6時前だと言うのに太陽は沈んでいる。そんな薄暗い道を鳴海家のマンションまで足を進める。
その道を歩いているのは2人だけ。夏ならまだ遊んでいるだろう小学生もいない。
「それにしても多くありません?」
紙袋を覗き込んで、ひよのは言う。
「鳴海さんの家はおねーさんと2人暮らしですよね?これだと相当ありますよ?」
「正月用の溜め置き出来るものも買ってある」
曰く、年末のスーパーは普段の何倍も混むらしく極力行きたくないらしい。
加えて言えば、今日ひよのを付き合せたのもこのためだったとか。
「鳴海さん、主婦臭いですよ?」
「悪かったな、俺は家で家事やってんだ」
マンションのエレベータに乗って、7階のボタンを押す。
エレベータが止まり、扉が開くとさっさと降りて鳴海家へと向かう。
鍵を開けると、ひよのを先に促し、自分もその後に続く。
キッチンテーブルに荷物を置くと、重い溜息を落とした。
一方、歩は一通り冷蔵庫に買ってきた食品を入れると近くに置いてあったエプロンを着けた。
「夕食食ってくか?」
普段では絶対聞くはずの無い言葉にひよのは歩の顔を見る。
「良いんですか??」
「今日はねーさん帰ってこないからな。」
だから、今日買い出しに付き合わせたのだとか。
「食べます、食べます!!食後のデザートもお願いしますよっ!」
愛のお題「ショッピング」
歩君がひよのちゃんを付き合わせたのは素直に誘えないから(笑
〜2006.02.06
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