「で?俺をこんな所に呼び出した理由は?」
月臣学園の屋上途中の階段。
突然の呼び出しをくらった歩は尋ねた。
そこには呼び出した本人の香介に加え、アイズ、理緒をはじめとするブレードチルドレンと彼らに囲まれたひよのがいた。
その状態でひよのが黙っている筈は無いし、彼らが全員立っているにも関わらず、ひよのだけ座り込んでいるというのもおかしい。
第一、こんな場所で何を企んでいるかなど判る筈が無かった。

歩がひよのを見るとひよのは「捻挫してしまいました…」と苦笑する。
痛みがあるのか先ほどから少しも足を動かしていない。

「嬢ちゃんが誰かに押されてな…」
「そこをあたしらが偶然通りかかったってワケ」
と彼らは言う。大凡の理由を理解した歩はひよのに目線を合わせた。
「右か?それとも――」
「右足です。」
「左は?」
「落ちたときの衝撃で多少痛みはありましたが、今は特に」
「――そうか。」

大凡の状況は分かった。視線を戻して彼らに手を貸してくれと言おうとしたら。
事が解決したかのように戻ろうとするブレチル一面。
引き止める歩に彼らは・・・
「俺はさ…ほら嬢ちゃんを送り届ける自信は無いし?」
「あ、あたしは短距離専門だからさ。」
「私よりひよのさんは背が大きいですし・・・」
「実は今週末にリサイタルが・・・」
「やっぱりこういうのは歩君のほうがいいと思って」
と次々に半ば言い訳のような理論を述べ、去っていった。



「立てるか?――って無理か。」
「大丈夫です。これくらい平気ですから。」
こう本人は言っているものの、明らかに無理そうである。
「しゃーねーな・・・」



「…鳴海…さん?」



「…あの…鳴海さん。重く…ないですか?」
普段と殆ど変わらない足並み。だが、それなりの負担は掛かっていると思う。
「――重い。地球上には重力がはたらいてるんだ。重くない筈は無い。」
でなかったら、あんたは俺の背中にいないことになるからな、と付け加える。
"重い"="重さを感じる"と言うことらしい。
「そうですか…」

暫くすると保健室が見えてきた。「ここでいいです。大丈夫ですから」とひよのは言う。
曰く、人通りが目立つようになってきたからだとか。足の痛みも先ほどより断然良いようだ。

「・・・あんた、そういうトコ気にするんだな」
「気になりませんか?」
「捻挫だと大きい顔すればいいだろ?それに俺はしてる側だからな」
「私はされる側なんですっ!!」
ひよのが少し頬を膨らませると、歩は微笑した。
「なら問題ないだろ?あんたに負担は無いんだから」
「…それはそうですが…」
「分かったなら大人しくしてろ」



愛のお題「おんぶ」
ブレチルが出せてよかったー。
彼らとの絡みの話が書きたかったんです。

〜2006.02.06


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