「では、鳴海さん。早速、行ってきますね。」

いつものことだった。いつもの一言だった。


兄貴が失踪し、ブレードチルドレンを救えと言い残された俺は、協力者・結崎ひよのとよく学園の新聞部の部室で彼女から何かと情報を貰っていた。
真実を突き止めるために新たに知るべきこと――それが分かるとそれをあいつは徹底的に調査する。
そして部室を出るときの台詞。それがコレだった。


今回は新たなブレードチルドレンに接触・・・。ただそれだけだった。
なのに。






普段のように言えない俺がいた。









「――行くな。」

「・・・はい?」


小声で言っただけにあいつにははっきり聞こえなかったようだった。



だがあいつは表情で分かったのか?








「私に行って欲しくないんですか?」








そう言った。


「でも今回はまだ事実を知らないブレードチルドレンに接触するだけですよ?血を見る可能性は低いです。心配要りません」

「それじゃない・・・」

「では何なんです?」








――言えなかった。

「行くな」と。















「――さあな。相手、待たせてあるんだろ?」

これが言うべきことだったから言っただけだ。棒読みに近い。



「では、行って来ますね。今夜、電話で報告します。」

「あぁ」



そういってあいつは出て行った。









結局、俺のワガママなんだよな・・・




















帰り道、空を仰ぐ。

こんなことしている場合じゃないのに。分かっているのに。


この感情を捨てきれない俺が居る・・・。




愛のお題より「ワガママ」
ちょっとワガママな歩君。ちょっと書いてみたかった・・・(ぇ

〜2006.03.18

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