「お早うございます、大佐」
「あぁ、お早う、中尉」
司令部で交わされる会話。それは朝であったり時には夜であったりするわけだが、今日は朝だ。
彼女は夜勤で彼は通常出勤。いつもはここで彼女が珈琲を淹れ、帰宅する。
夜勤の時は彼女の愛犬――ブラックハヤテ号も一緒で、この時間になると彼女の傍で大人しくしている。――が、今日はその姿が見えない。

「ハヤテ号はどうした?」
と彼が聞くと、彼女は「散歩に行ってます」と言う。
「散歩?」
ロイが聞き返すと、「フュリー曹長とです。久しぶりにハヤテ号と散歩がしたいと仰ってましたので」とホークアイは答えた。

"散歩がしたい"
その言葉がロイの頭に残る。もっともそれはフュリー曹長がホークアイに言った言葉なのだが。
しばし黙り込んだ末にロイが言った言葉はこうだ。

「中尉。私達も散歩に行こうか」

その誘いにホークアイは「何を言っているんですか」との表情で淹れた珈琲を差し出す。

「大佐、もうすぐ勤務時間です。勤務時間外であれはいつでもお付き合いしますので」

そう言って、踵を返すと彼は「まだ時間になっていないだろう?まだ時間はある」と時計を指差す。
確かにまだ勤務開始時刻までは半時間以上の時間が残っていた。

「まだ勤務時間外だろう?この周辺でもどうだ?」

"勤務時間外ならいつでも付き合う"自分が発した言葉に早くも後悔した。

あぁ・・・何故いつもこうなのだろう?
貴方はいつも私の言葉を上手く解釈して・・・

もう、しょうがない、ひと。


「戻ったら真面目に仕事してくださいね?」
「――分かってるよ」

END

愛のお題より「お散歩」
ハヤテ号がいたとしても、大佐は中尉ばっかり見ていると思う・・・(笑)

〜2006.4.23
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